求められていた小型全自動遺伝子検査装置の開発
栄研化学株式会社は1月27日、同社の遺伝子増幅技術(LAMP法)を利用した次世代の小型全自動遺伝子検査装置および多項目検査チップを開発したと発表した。
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近年、患者診察時での迅速・精確な診断が強く求められている。そのような医療ニーズに対応するため、同社は病院内の検査室や処置室等に設置ができる、小型の全自動遺伝子検査装置および多項目遺伝子検査チップの開発を進めてきた。
操作時間の短縮や低価格化も実現
同装置は、検体前処理(核酸抽出・精製)から増幅・検出までを全自動で行うことができる。従来、高純度な核酸抽出・精製を行う装置と増幅・検出装置では、合計2時間以上を要していたが、LAMP法の特徴を活かした独自プロトコルの開発により、同装置では操作時間を30分以内に短縮することに成功したという。
また、同検査チップは、LAMP法に必要な増幅試薬(プライマー、酵素等)を含む複数の反応ウエルからなる。同装置に設置して使用することで、内部標準を含めて多項目の遺伝子の同時検出が可能。いずれも高度な検査技術を必要としない点が特長としている。
これまでは、遺伝子増幅反応により増幅された核酸が反応容器等から漏れて他の反応容器など付着し、偽陽性を引き起こす原因となる汚染現象(コンタミネーション)が課題となっていた。今回は、閉鎖構造にすることにより、このコンタミネーションに極めて強い特徴を有している。さらに、プラスチック製で簡易な構造を追求することにより、量産可能な低価格化を実現したという。
同社は今後、早期の実用化を目指し、複数の呼吸器感染症原因微生物の同時検出を目的とした臨床性能試験を実施するとしている。また、各種感染症検査チップ、コンパニオン診断用検査チップ、各種がん関連の検査チップなどの開発も進めたいとしている。
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・栄研化学株式会社 ニュースリリース