国際医療福祉大学大学院の武藤正樹教授は12日、横浜市内で講演し、薬局薬剤師の課題に言及。在宅高齢者における薬剤使用評価(MUE)を行っていくことが必要と強調。在宅で高齢者向け不適切医薬品リスト「ビアーズ基準」を用いた評価を先行して実施すべきとの考えを示した。また、後発品の使用促進にも薬剤師が積極的に関わるべきとし、政府目標の2015年度数量シェア60%は「楽に達成できる」と見通した上で、20年に80%を目指す“2080運動”の展開を提言した。
武藤氏は、前回14年度の診療報酬改定が実質マイナス改定に終わったことに言及。「マイナス改定の流れは当分続くだろう」と見通しつつ、病院薬剤師がエビデンスを示して導入された病棟薬剤業務実施加算の意義を強調。「医師の診察前の薬剤師外来は有効」とし、外来業務の拡充とその評価が課題と指摘した。