Zosano社の副甲状腺ホルモン1-34製剤
米国イーライリリー・アンド・カンパニーとZosano Pharma Corporationは12月2日、Zosano社のマイクロニードルパッチシステムを用いて、Zosano社が独占所有権を有する副甲状腺ホルモン1-34(PTH)製剤「ZP-PTH」を開発、商業化する独占契約を締結したと発表した。
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Zosano社は、重症骨粗鬆症の治療を目的としたZP-PTHの第2相試験を完了しており、今後、第3相試験を実施する予定。臨床試験での良好な結果が得られ、規制当局の承認を待って、イーライリリーは同製品の商業化に対する責任を負うこととなる。
Zosano社は臨床、薬事および製造上のスケールアップ活動を含めた同製品への資金提供および開発の責任を持つ。また、Zosano社は同製品を製造し、市販用の製品をイーライリリーに供給するという。
痛みなく迅速に、全身へ薬物送達を可能に
PTH(テリパラチド)は、アミノ酸84個からなるヒト副甲状腺ホルモンのN端側34個のアミノ酸(生物学的活性部分)と同一のアミノ酸配列を有している骨形成促進剤。テリパラチドの1日1回投与で、破骨細胞活性よりも骨芽細胞活性が選択的に刺激され、骨梁と皮質骨の表面での新しい骨の形成が促進されるという。
ZZosano社のマイクロニードルパッチシステムは、ニードルフリー(針なし)で痛みのない簡便なシステムにより、全身へ治療化合物送達を提供するもの。前臨床および臨床試験において約30種類の化合物で技術的な実現可能性が実証されており、また、7件の第1相臨床試験および1件の第2相臨床試験において30,000以上のZosano社のパッチが400人以上の患者に貼付されている。
このシステムにより、骨粗鬆症を患う患者は皮下注射の必要なく、自己投与用に室温で安定したPTHパッチを利用できるようになるとしている。(遠藤るりこ)
▼外部リンク
・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース