遺伝子治療も視野に入れ、新規治療法確立を目指す
アステラス製薬株式会社は10月14日、米Harvard Medical School(HMS)と、網膜色素変性症病態関連遺伝子の同定と検証を目的とした共同研究契約を締結したと発表した。遺伝子治療も視野に入れた、新規治療法の確立を目指すとしている。
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網膜色素変性症は、進行性の夜盲、視野狭窄、視力低下を主徴とし、色覚の喪失、失明に至る遺伝子変異に起因する網膜変性疾患。網膜変性に至る機序は、未だ十分に解明されておらず、臨床的に明確な効果を示す治療法は確立されていない。
共同研究は、眼科領域おける遺伝子治療の世界的な権威であるHMSのConstance L. Cepko, Ph. D.が主導。アデノ随伴ウィルスベクターを用い、網膜色素変性症の治療につながる遺伝子の同定と検証を行うという。研究の期間は最長3年間で、同共同研究の結果、有望な治療につながる遺伝子が同定された場合、アステラス製薬は、当該標的遺伝子に関する独占的ライセンスに基づき治療薬の研究・開発及び商業化を行うとしている。
2013年10月に設置された「AIM」が提携を主導
今回の提携は、2013年10月に設置されたアステラス製薬のイノベーションマネジメント部(AIM)が主導するもの。AIMは、前臨床段階における戦略的な外部提携活動を統括し、外部イノベーションの機会獲得に関する戦略策定、探索、科学性評価、提携交渉などを担い、外部提携活動を戦略的かつ体系的に行っているという。
アステラス製薬の上席執行役員・経営戦略担当の安川健司氏は、ニュースリリースで
アステラス製薬は、新薬創出力を一層強化するため、外部機関との連携を図りながら新たな疾患領域、創薬基盤技術にも挑戦し、アンメット・メディカル・ニーズを満たす新規の創薬機会の探索を進めています。今回のHarvard Medical Schoolとの提携は、その一環になります。本提携により、創薬研究を進めることで、網膜色素変性症に苦しむ患者さんに“光”を届けられることを期待しています
と述べている。
▼外部リンク
・アステラス製薬株式会社 ニュースリリース