同会議は、3月の会合で“患者ニーズ”に応じて混合診療を認める選択療養制度を、厚生労働省に提案した。ところが、日本医師会や患者団体は「有効性・安全性を確認する仕組みがない」と猛反発し、現行の評価療養(先進医療)制度で対応できると主張。これらの批判を受け、最終的にまとめられた意見では、有効性・安全性を確保するための手続きや国民皆保険制度の堅持が盛り込まれ、さらに選択療養の実績をエビデンスとして蓄積し、これらデータをもとに先進医療、保険収載につなげる道筋まで示した。
意見では、現行制度で救済できない患者の治療選択肢を拡大するため、有効性・安全性の確認を前提に、患者起点の選択療養を認めるよう求めた。選択療養の創設によって、経済的負担等の問題が治療の妨げとならないようにするとし、新薬など先進医療の開発を促す効果も期待されるとした。
現行の評価療養は、治療を実施するまでに平均6~7カ月かかるため、患者の切実なニーズに十分に応えきれないとして、選択療養では患者からの申し出を起点に迅速に国内未承認薬等を混合診療として使えることを目指すとした。
また、患者が十分な情報を持たないために、根拠が疑わしい治療等を受けることがあってはならないと指摘。
こうした治療を選択療養から除外し、有効性・安全性を確保するため、医師がエビデンスに基づいた有効性・安全性を確認し、専門医の配置や健康被害への対応等、患者の治療を適切に実施できる体制が整っていることを「診療計画」に明記。患者に書面で説明することとし、患者や家族の納得が前提とした。
その上で、診療計画をもとに、医師は選択療養を申請し、専門家が中立的な立場から有効性・安全性、患者への不利益があるかどうか確認。その結果を患者に直接情報提供する手続きを踏むことを盛り込んだ。
さらに、選択療養の実績を「治療結果報告書」(仮称)として当局に提出することで、評価療養、保険収載につなげる仕組みを作ることができるとした。選択療養の段階で、安全性や有効性が確保できなかったり、治療に問題がある場合は、選択療養から除外されるとしている。
会議後に記者会見した岡素之議長は、選択療養制度の導入を求める意見をまとめたことについて、「患者の選択肢を増やすことが大きな目的。安全性や有効性への懸念、皆保険制度が崩壊するなどといった批判に全て応える中身にした」と自信を示した。