CTEPH治療に新たな選択肢
バイエル薬品株式会社は4月18日、「アデムパス(R)錠0,5g/1,0g/2,5g(一般名:リオシグアト)」の発売を開始することを発表した。同剤は慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対する初の治療薬となる。
(画像はプレスリリースより)
CTEPHは生命を驚かす心肺疾患で、難病指定されている。同剤は、日本において2011年9月8日に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。
これまでCTEPHの治療に対して承認された医薬品は存在せず、根治が期待できる治療方法は複雑な外科手術である肺動脈血栓内膜摘除術(PEA)しか存在しなかった。
術後に肺高血圧症の残存、手術を受けることができない患者、再発が見られる患者に対しては、同剤が初めての治療薬となる。
新しいクラスの経口肺高血圧症治療薬
同剤は、バイエル ヘルスケア社が発見・開発を行った、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤という新しいクラスの経口肺高血圧症治療薬。作用機序は、肺高血圧症(PH)の病態の背景にある主要な分子メカニズムをターゲットとして開発されたという。
また、同剤は、国際共同試験においてCTEPH患者に対する有意かつ持続的な有効性及び安全性が確認された。心肺血行動態、6分間歩行距離テスト(6MWT)などに複数の評価項目において、改善が見られたとされる。
NPO法人PAHの会(肺高血圧症患者会)理事長村上紀子氏はプレスリリース上で、
CTEPHの適応を持つ治療薬が発売されることは待ち望んでいたことであり、これにより治療のオプションが増えることを嬉しく思います(バイエル薬品株式会社 プレスリリースより引用)
と述べている。(伊藤海)
▼外部リンク
バイエル薬品株式会社 プレスリリース
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release/2014/