成人病、メタボ、生活習慣病などは、食生活と密接な関係があることで知られています。また、食べる上でも、身体に蓄えられる上でも「脂肪」が健康に影響を及ぼすことも、もはや常識となってきました。
(この画像はイメージです FreeDigitalPhotos.net/By Grant Cochrane)
身体に蓄えられる「脂肪」は「どのくらい」蓄えられるか、よりも「どこに」蓄えられるか、が実は重要なのだそうです。特に、肝臓に脂肪が蓄えられる、脂肪肝は健康に悪影響を及ぼすことで有名です。
実は、脂肪を蓄える場所は、食事によって摂る「油」に影響するということが、スウェーデンのウプサラ大学の研究グループによって明らかにされました。
調査では、39人の健康な男女の体重を7週間で約3%増やすことを目標として、1日750キロカロリー分の食べ物を余計に食べてもらいました。そのために準備されたのは、マフィン。多価不飽和脂肪酸のヒマワリ油を使ったものと、飽和脂肪酸のパーム油を使ったものを用意しました。油以外の材料は全く同じものです。
7週間後、MRI画像診断を行い、身体のどこに脂肪が蓄えられたかを観察しました。その結果、ヒマワリ油を使ったマフィンを食べた人では、パーム油を使ったマフィンを食べた人よりも3倍、筋肉量の増加が見られたというのです。さらにパーム油グループは、肝臓やお腹周りに蓄積される脂肪が多く、体全体の脂肪量についても、ヒマワリ油グループよりも多かったそうです。
これらのことから、日常の食生活に使う油に気を配ることで、肝臓やお腹周りの脂肪の蓄積を最低限に抑えられることが明らかになりました。料理に使っている油を、一度見直してみませんか?(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Abdominal fat accumulation prevented by unsaturated fat
http://www.uu.se/en/media/
Overfeeding Polyunsaturated and Saturated Fat Causes Distinct Effects on Liver and Visceral Fat Accumulation in Humans
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/early/2014/