適応追加と適応菌種の変更、公知申請で承認取得
Meiji Seikaファルマ株式会社は2月21日、アミノグリコシド系抗生物質製剤「硫酸ストレプトマイシン注射用1g「明治」」(一般名:ストレプトマイシン硫酸塩、以下「ストレプトマイシン」)について、厚生労働省より、同日付で適応追加および適応菌種の変更に関する承認を取得したと発表した。
適応症として追加されたのは、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症。適応菌種については、従来の「結核菌」を「マイコバクテリウム属」に変更することが承認されている。
今回、同剤が受けた適応症の追加承認については、2013年6月19日に開催された、厚生労働省主催の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、臨床試験の全部または一部を新たに実施することなく効能・効果追加等の承認申請が行える制度である、公知申請に該当すると判断されていた。そののちの2013年7月26日、「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」において、公知申請を行って差し支えないとの判断を受けており、これをもとに、同社では2013年8月19日に、公知申請制度を活用した同剤の適応追加および適応菌種変更の申請を行っていたという。
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患者数が増加している肺MAC症などの新たな治療選択肢に
同剤は、1バイアルに日局注射用水または日局生理食塩液3~5mLを加え、用時溶解して用いる注射用ストレプトマイシン硫酸塩。国内では2006年1月より販売されている。
追加承認された適応症のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症に対して使用する場合の用法・用量は、通常成人にストレプトマイシンとして1日0.75~1g(力価)を週2〜3回、筋肉内注射するものとされている。なお、この用量は年齢、体重、症状により適宜減量することとされた。
非結核性抗酸菌症のうち、とくに肺マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症は、年々患者数が増加しているといわれ、日本国内における非結核性抗酸菌症の罹患率は、人口10万に対し5.7人と推定されている。(紫音 裕)
▼外部リンク
Meiji Seikaファルマ株式会社 プレスリリース
http://www.meiji-seika-pharma.co.jp/pressrelease/2014/