忙しい現代社会で、睡眠に関するトラブルを抱える人が増えています。実は、タバコが不眠の原因になっているかもしれないこと、ご存じでしたか? これは、禁煙に力を入れていることで知られるアメリカで、2013年に報告された調査結果です。
(この画像はイメージです FreeDigitalPhotos.net/Grant Cochrane)
アメリカではおよそ40年にわたり「National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)」という、米国民に対する大規模な健康調査が行われています。今回、フロリダ大学らが行った研究では、2005年から2006年に行われたNHANESのデータを使用。「タバコを吸っている」、「以前は吸っていたが禁煙した」、「タバコを吸わない」の3グループに分類して、睡眠に関する問題が喫煙に関係があるかを調べました。
その結果、「タバコを吸っている」人たちのうち、11.9%が寝付きが悪いことがわかりました。また、夜中に目が覚めるとする人は10.6%、寝起きが悪いという人は9.5%いました。一方、これらのそれぞれの数字は「タバコを吸わない」人たちの方が低かったそうです。
また、タバコを1本吸うごとに睡眠時間が1.2分少なくなり、「以前は吸っていたが禁煙した」人たちでは睡眠の状態が著しく改善していたことがわかりました。1日1箱吸う人ならば、24分も睡眠時間を削っていることになります。
禁煙が健康に良いことを知らない人はいないはず。一方で、眠れない夜に、余計にタバコが増えてしまう悪循環に陥っている人もいることでしょう。眠ろうとする努力をしていた人は、視点を変えて、禁煙や節煙を心がけてはいかがでしょう。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Can’t Sleep? Quit Smoking
http://www.alphagalileo.org/
Sleep disturbances associated with cigarette smoking
http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/