新機序の抗てんかん剤
エーザイ株式会社は、抗てんかん剤である、AMPA受容体拮抗剤「Fycompa(TM)」(一般名:ペランパネル)を12歳以上のてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法を適応として、米国において、1月2日に新発売したと発表した。
同剤は、エーザイが創製した高選択的、非競合AMPA受容体拮抗剤。シナプス後AMPA受容体のグルタミン酸による活性化を阻害し、神経の過興奮を抑制する抗てんかん剤である。既存の抗てんかん剤とは異なる新規の作用機序を有しており、また、12歳以上の青年期まで幅広い年齢層の患者への適応が可能であるという。
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第3相試験の結果
同申請用試験は3つの臨床第3相試験(304、305、及び306試験)から成り、合計1,480例の青年期を含む12歳以上の部分てんかん患者が試験に組み入れられた。306試験の主要目的は、最小有効量を把握することであり、「プラセボ、2mg、4mg、8mg」の4群、また、304試験と305試験は、投与量範囲の決定を主要目的とし、「プラセボ、8mg、12mg」の3群で実施された。いずれの試験も、国際共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較、用量漸増試験であった。
306試験の「50%レスポンダーレート」は、プラセボ投与群の17.9%に対し、ペランパネルの2mg投与群で20.6%、4mg投与群で28.5%、8mg投与群で34.9%、「発作回数変化率(中央値)」は、プラセボ投与群の-10.7%に対し、ペランパネルの2mg投与群で-13.6%、4mg投与群で-23.3%、8mg投与群で-30.8%であった。
305試験では、「50%レスポンダーレート」はプラセボ投与群の14.7%に対し、ペランパネルの8mg投与群で33.3%、12mg投与群で33.9%、「発作回数変化率(中央値)」は、プラセボ投与群の-9.7%に対して、ペランパネルの8mg投与群で-30.5%、12mg投与群で-17.6%であった。また、304試験では、「50%レスポンダーレート」は、プラセボ投与群の26.4%に対し、ペランパネルの8mg投与群で37.6%、12mg投与群で36.1%、「発作回数変化率(中央値)」は、プラセボ投与群の-21.0%に対して、ペランパネルの8mg投与群で-26.3%、12mg投与群で-34.5%であった。(堤朝子)
▼外部リンク
エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201401