診断技術確立や治療法開発のためのデータを収集
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と国立大学法人東京大学、バイオテクノロジー開発技術研究組合は共同で、アルツハイマー病の超早期診断技術確立を目指した臨床研究(J-ADNI2)を実施すると発表した。
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J-ADNI2は、NEDOのプロジェクトである「脳画像・臨床・ITの融合によるアルツハイマー病超早期診断と先制医療の実現」の一環として行われるもの。アルツハイマー病の治療薬開発に欠かせない病気の進行過程を忠実に示す客観的な評価法の確立を目指す臨床研究で、米国、欧州、豪州でも同様の研究が進められている。今回は、日本の認知症患者の6割を占めるアルツハイマー病の診断技術確立や治療法開発に必要なデータが収集されるという。
東大病院から被験者募集受け付け開始
臨床研究が行われるのは東京大学医学部付属病院(東大病院)など、全国41ヶ所の臨床施設。健康で物忘れがない65~84歳の人が約300人、日常的な物忘れに困っていて軽度認知障害と診断された60~84歳の人が約200人、募集される予定だという。
被験者には3年間にわたり、臨床研究開始時検査・問診・心理検査・MRI検査・PET検査・血液検査・脳脊髄液採取・遺伝子検査などが半年から1年ごとに実施されるという。客観的評価法が定まれば、将来、アルツハイマー病の早期診断、予防、そして治療薬のスムーズな開発に繋がると期待される。(小林 周)
▼外部リンク
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 プレスリリース
http://www.nedo.go.jp/news/press/
東京大学医学部付属病院 プレスリリース
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/