パーキンソン病
パーキンソン病は、脳の中の黒質にある神経細胞の減少により、運動を円滑に行うように脳からの指令を筋肉に伝える神経伝達物質であるドパミンが減少するために引き起こされる疾患である。原因はまだ不明で、中高齢者に発症し、10万人あたり100人以上はいるとされ、65歳以上ではさらに増加する。
症状としては、振戦、無動、固縮、姿勢反射障害が、四大パーキンソン症状である。振戦とは、ふるえのことを指し、パーキンソン病の場合、指からはじまることが多く、手、腕、脚、顎などにみられる。無動とは、のろくぎこちない動作になることで、前かがみになって、顎がちょっと突き出し、歩幅が狭くなる。固縮とは、手足の筋肉が硬くなることである。姿勢反射障害は、起立時に、何かの弾みで姿勢が揺らいだときに、瞬間的に姿勢を立て直すことができずに倒れこんでしまう。他に、立ちくらみ、頑固な便秘、頻尿や残尿などの自律神経症状もみられる。症状が進んでくると、意欲が低下、幻覚、妄想などの精神症状、認知症が認められる場合もある。
(画像はウィキメディアより)
A2A受容体拮抗薬発売
協和発酵キリンは、2013年5月30日に新規パーキンソン病治療剤「ノウリアスト(R)錠20mg」(一般名:イストラデフィリン)を発売した。本剤は、アデノシンA2A受容体拮抗薬というファーストインクラスのパーキンソン病治療剤である。国内で実施された臨床試験において、本剤はウェアリングオフ現象(薬効時間が短縮し、服用後数時間を経過するとその効果が消退する現象)を改善し、良好な忍容性を示した。
本剤の用法・用量は、レボドパ含有製剤と併用し、通常、成人にはイストラデフィリンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、症状により40mgを1日1回経口投与できる。 (堤朝子)
▼外部リンク
協和発酵キリン ニュースリリース2013年5月29日
http://www.kyowa-kirin.co.jp/