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若くして痛風を発症する患者の約9割に遺伝子変異

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2013年06月19日 PM08:13

痛風の原因遺伝子ABCG2

防衛医科大学校、東京薬科大学、東京大学の研究グループは若くして痛風を発症する要因が尿酸輸送体ABCG2の遺伝子変異と関連することを発見した。

痛風は激しい関節痛に加えて高血圧、腎臓病、心臓病、脳卒中などのリスクとなることが明らかになってきた。日本人男性60人に1人、中年以降の男性に多く発症する。最近、20代以下の発症が増加し、食生活など生活習慣の関与が考えられたが、若くして発症する人としない人があることから遺伝因子の関与が推定された。

研究グループは過去に痛風・高尿酸血症の主な原因遺伝子が尿酸の排泄に働く尿酸輸送体ABCG2遺伝子であるとつきとめ(2009年)、腸管からの尿酸排泄機能の低下が高尿酸血症をもたらすと発見した(2012年)。

ABCG2の遺伝子変異が発症リスクを高める

今回、ABCG2の遺伝子変異による尿酸排泄の機能低下が発症にどのように影響を与えるかを検討した。男性痛風患者705人を対象にABCG2の機能低下と発症年齢の関わりを調べた結果、遺伝子変異で尿酸排泄機能が低下している群は平均発症年齢が最大6.5歳低かった。

痛風の既往がなく血清尿酸値が正常な男性1887人と比較すると、ABCG2の遺伝子変異がある場合、20代以下の発症リスクは最大22.2倍高くなり、20代以下で発症した痛風患者の約9割にABCG2の遺伝子変異が見られた。20代以下の発症リスクは、ABCG2の機能が50%で15.3倍、75%で6.5倍だった。また遺伝子変異は若年層に限らずどの年代でも発症リスクを高めている。

ABCG2の遺伝子変異の検出は簡便で、痛風を発症するリスクの高い人を早期に発見する遺伝的リスクによる予防が期待できる。若い世代の痛風の発症予防は高血圧、脳卒中の予防にもつながる。(馬野鈴草)

▼外部リンク

東京薬科大学プレスリリース
http://www.toyaku.ac.jp/

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