妊婦が葉酸以外に微量栄養素サプリを摂取することが多い
妊婦の期間というのは、順調にいく人の数の方が少ない。貧血などに悩まされることもある。貧血、微量栄養素不足は、死産や新生児死亡のリスクが高いと考えられている。
そのため葉酸やその他にも、鉄などの微量栄養素を摂取している人がいる。とくに葉酸は胎児が神経管閉鎖障害になるリスクを、低減する効果があると認められている。しかし順調にいっている妊婦に投与しても、効果はあるのだろうか。
中国北京大学のJian-meng Liu氏らは、大規模無作為化試験を行い、鉄などの微量栄養素を妊婦が服用しても、子どもの死亡リスクに影響があるのかということを検証した。論文はJAMA Internal Medicine誌の電子版、2013年1月7日に掲載されている。
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葉酸に鉄や他の栄養素を服用しても効果なし
著者らは、中国北部の河北省で、06年5月から09年4月までの3年間患者を登録して試験を実施した。貧血はなく、これまでに出産経験もない、妊娠20週以前の妊婦1万8775人を登録して無作為に、葉酸だけと、葉酸+鉄、葉酸+鉄+13種類のビタミンとミネラルというグループに分け、出産するまで続けた。
その結果、 82人の女性が死産を経験、出生児のうち、71人は早期新生児死亡、87人は新生児死亡、134人は乳児死亡であった。 妊婦のうち約9割が、処方されたサプリメントの80%以上を摂取していた。
また葉酸のみを服用していた妊婦と、葉酸+鉄、葉酸+鉄+他の微量栄養素を使用していたグループの子どもの死亡率に差はなく、その他の有害な影響についても、差は認められなかった。
貧血がない、または軽症貧血の妊婦が葉酸と鉄、他の微量栄養素を服用しても、妊娠後期の貧血を減らすという効果以外には、葉酸のみを投与した場合よりも効果はもたらさないということがわかった。
▼外部リンク
JAMA Internal Medicine誌
http://archinte.jamanetwork.com/