手術後に心肺停止
昨年10月に前立腺の手術を受けた70代男性が術後に心肺停止し、低酸素脳症におちいる医療事故が起きた、と宮崎県立日南病院が10日に記者会見を開いた。
(Wikiコモンズを利用)
病院は男性患者を前立腺肥大症と診断、泌尿器科の医師と助手が担当して前立腺の一部を切除した。手術中に痛み止めとしてモルヒネを投与し、手術は約1時間40分で終了。正午ごろ病室に戻った後、午後3時の巡回の際には異常が見られず、午後4時過ぎの巡回で心肺停止状態の男性が発見された。
強心剤の投与による蘇生措置で呼吸・心拍は戻ったが低酸素脳症になった。現在も意識不明の重体。病院はモルヒネの投与で呼吸が弱まったことに気づいたが、容体の管理が不十分だったと説明している。
モルヒネの副作用か
院内の事故調査委員会は鎮痛剤として投与したモルヒネの副作用の可能性が高いと判断した。モルヒネには呼吸抑制の副作用があり、心電図モニターで呼吸や脈拍を常時監視する必要がある。そのチェックがされていなかったという。
同病院ではこれまで前立腺肥大症の手術は身体的負担が小さいと考え、患者にモニターを装着していなかった。県内にある他の6医療機関では同様の手術で装着しているが、今後は全ての手術でモニター装着を行うことにする。
院長は男性の家族に対して、事故がモニターの装着で防げた可能性が高いと謝罪している。
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