アメリカで中絶が減少傾向
AP通信によると、アメリカではここ10年で妊娠中絶が減少傾向を示しているが、最近5%の大きな減少を見せた。これは、避妊に対する意識が女性の中で大きくなってきていると、研究者は分析する。
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43週2都市からのデータを10年以上採用
この統計はアメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)の直近のデータである2009年度のもので、中絶率が減少している。
毎年のデータに信頼性を持たせるため、CDCでは10年以上データ収集に43の州と2つの年を採用している。
ミシシッピー州では、出産適齢期女性において0.4%という最も低い中絶率を示した。この州は中絶経験は2人のみであり、国内で最も高い10代の出産率を誇っている。ニューヨーク州はカリフォルニア州に次いで2番目に中絶率が高く、ミシシッピーの約8倍となった。
経済的理由で避妊を意識
専門家の分析によれば、女性の経済的理由で妊娠する余裕がなく、避妊に気を配っていることが現れているということだ。避妊は中絶数の減少に重要な役割を果たしている。
これには、政府機関が今年度に発表した、60%の10代女性が性行為の際にピルなどの有効な避妊方法を実行しているというデータが裏づけとなっている。
また、子宮内器具であるIUDの使用が増えていることを指摘した。性に関する健康を調査する非営利組織、グットマッカー研究所の発表によれば、IUDを使用する女性は2002年では3%強だったのに対し、2009年では8%まで上昇した。同研究所のレイチェル・ジョーンズ氏によれば、IUDは基本的に「使用者の失敗」を防ぐものだ。
また、より手に入れやすくなっている緊急避妊薬モーニングアフターピルの費用が増えているのも要因の一つであろうとしている。これはアメリカでは1999年に市場に参加し、2006年には18歳以上の女性、さらに2009年には17歳以上の女性なら処方箋不要になった。
避妊に対する意識の高まりは、2006年待つから2006年までの不景気が大きな影響を与えていると見られる。不況は女性の中絶を促進したのではなく、避妊を促進したと見る専門家もいる。
▼外部リンク
アメリカ疾病管理予防センター サイト
http://www.cdc.gov