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国境なき医師団 医薬品特許異議申し立て参考データベース開設

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2012年10月10日 PM05:00
不当な薬品特許に対抗

(以下、MSF)は、10月2日、不当な薬品特許に抗議する途上国の市民団体や患者グループのためのウェブサイト「特許異議申し立て(Patent Opposition)参考データベース」を開設した。

(この画像はイメージです)

「特許異議申し立て」は、不当な特許の承認を防いだり、承認後で覆したりするための法的な異議の申し立てで、国際貿易のルールで認められている。ジェネリック薬の生産が特許制度に妨げられ、途上国が高額な薬価を突きつけられている現状を受けて作成した。

特許異議申し立てが認められているタイ、ブラジル、インドなどでは、不当な特許独占の承認をはばみ、薬価の引き下げをもたらすジェネリック薬の競合状態の実現に成果が出ている。

特許異議申し立て例

HIV治療薬のジドブジン/ラミブジン合剤に関し、グラクソ・スミスクライン社のインド特許申請に対し、同国の患者グループの異議申し立て例では、当該の薬が”新たな発明”ではなく、既存の2種類の薬の組み合わせに過ぎないことが理由だった。

同剤は現在、途上国のHIV治療で広く使用されている。「インドがん患者支援協会」が申し立てた特許付与前異議も、イマチニブの酸塩製剤に対するノバルティス社の特許申請却下を促した。

MSFの60か国以上での医療活動でも安価な薬が必要とされている。途上国のHIV治療活動では、使用薬の80%以上がジェネリック薬ということだ。

データベース開設がもたらすもの

今回のデータベースの開設は、HIV治療薬ジダノシンに対する不公平な特許付与に、患者グループ「・アクセス財団」が特許異議を申し立てた結果、世界で初めて、タイ法廷で特許付与が覆されたことから10年周年を記念するもの。

同じ特許申請が、複数の国で同じ理由から異議申し立てを受けることも少なくないが、「特許異議申し立て参考データベース」によって、各団体が新たな協力体制を築いたり、重要な専門的知識を共有したりすることができる。

新たに異議申し立てを行う際の助けとなる200本以上の参考資料を検索、リストアップできる機能も備わり、特許異議申し立ての先例45件に新しいデータが追加され拡充されていく。

▼外部リンク

国境なき医師団
http://www.msf.or.jp/news/2012/10/5733.php

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